講師

澤井健二

2023年9月のメドテックサロンでは、澤井健二さんをお招きしてオンラインにて講演を開催いたしました。

講義テーマは「医療機器企業が商品開発/導入検討する際の視点について」です。
「医療機器企業 開発体制」「医療機器 開発事例」「注目する視点」という流れでお話いただきました。

まずは「医療機器企業 開発体制」についてです。
澤井さんは医療機器企業に長年勤められ、知的財産部での業務や新規事業立ち上げ、開発企画、開発者の育成等に携わっていた経験があります。その経験をもとに、医療機器企業における開発体制について説明いただきました。
医療機器を販売するためには、基礎研究から始まり、製品開発、臨床/非臨床試験、薬事承認、製造販売等、多くのステップがあります。医療機器企業には、それぞれのステップに対応できる部署があり、基礎研究から製造販売までの一連の流れを、すべて社内でおこなうことができます。
また、製品を販売した後も利用者から改善点等を聞き、その内容を次の製品開発に繋げるので、数年単位でスケジュールが決まっていることもあります。そのため、社外から新しい技術や製品の提案があった際、その提案を受け入れるには、よほどインパクトの大きい技術や、臨床的に価値の高い製品であることが重要です。

次に「医療機器 開発事例」として、他社からの共同研究の提案を受け、事業を拡大したメーカーの事例を紹介いただきました。
産業用・工業用ワイヤーを生業としていたメーカーが他社からの提案を受け、内視鏡に使われるコントロールワイヤーの共同開発を始めました。その後も技術を活かし、血管造影用カテーテルやバルーンカテーテルといった自社ブランド品を展開したところ、今では医療機器の主要製品が、会社全体の売り上げの5割近くを占めるようになったという事例です。
共同研究を受けた側はその技術を活かし、使用用途や疾患部位によって、長さやサイズ、幅、表面加工などの異なるさまざまな製品を製造することで、ビジネスとして成り立たせることができます。また、そこで得た収益を元に新規事業を創出し、さらなるビジネスの拡大を目指すこともできる点が、共同研究を受ける側にとってのメリットと言えるでしょう。

最後は「注目する視点」についてです。
医療機器企業には、毎日多くの技術提案や事業化等の話が来ています。その中で、企業がどういった提案を評価するのか、チェックポイントを知っておくことは非常に重要です。澤井さんはご自身の経験をもとに、3つのポイントをお話してくださいました。
1つ目は「自社の事業戦略に合致するか」です。共同研究をおこなうことで相乗効果があるのかを重視します。
2つ目は「臨床的ニーズは整理されているか」です。バイオデザインの考え方と同様に、現場でのニーズは重要です。臨床現場で本当に必要とされている技術かどうか、医療機器企業でも改めて確認します。
3つ目は「医療機器開発マネジメントできるか」です。社内での規制やルール、商品化までの開発費用等に問題が無いかを検討します。
この3つのチェックポイントを意識して、医療機器企業の立場を理解した状態で話をすると、企業側も安心できるのではないかと澤井さんは感じています。

最後に設けられた質問コーナーでは、「研究の早い段階で協力企業を見つけておきたいが、何か戦略はあるか」「すでに共同研究を進めている企業ではない、他の企業に相談したいことが出てきた場合、どのようなプロセスで進めると良いか」などの質問がよせられ、丁寧にお答えいただきました。

澤井さん、ご講演ありがとうございました。