講師

株式会社CDIメディカル 主査
岡野内 徳弥

静岡県立大学大学院薬学研究科修了

桐蔭横浜大学法科大学院修了

マサチューセッツ大学ローウェル校ビジネススクール修了

博士(薬学)、法務博士、 MBA(経営管理修士)

講義の内容

2021年3月、今年度最終回となるメドテックサロンでは、講師に医療関係のコンサルティング会社CDIメディカルの岡野内徳弥先生をお招きして、オンラインにて講演を開催致しました。

岡野内先生はこれまで、医療業界において様々な立場でご活躍されてこられました。厚生労働省をはじめとする行政、国立病院機構などの医療機関、大学での研究医療開発、神奈川県の自治体で医療関連の取り組み推進など、ご経験は多岐にわたります。今回の講演は「医療機器開発に係る制度(承認審査及び保険適用):ケーススタディとともに」をテーマに、開発したものを申請し承認審査を受け保険適用に進む段階について、実際の事例を元にお話しいただきました。

冒頭では、CDIメディカルの医療製品開発のコンサルティングの流れについてご紹介くださいました。「ケースについて」では、昨年に医療機器アプリとして国内初の承認を受けた会社を事例として挙げ、製品に関する詳細を解説していただきました。

続いて承認申請・審査の手続きについて、どのような審査がどこで行われ審議されるのかなどを、図を用いてわかりやすくご説明いただきました。承認申請資料について解説いただきました。高度な医療機器の場合、この資料は500ページになるものもあるそうです。資料の中でも「開発の経緯及び外国における使用状況等に関する資料」が審査官から見てとても重要で、製品の医療における位置づけを明確にする必要があることを教えていただきました。

後半では、まず承認審査の概要についてお話しされました。具体的な審査や指摘内容、そして指摘への具体的な対応内容をご紹介いただき、貴重な学びになりました。

続いて、保険制度のポイントについてお話をいただきました。開発では、まず特定保険医療材料を狙うことが多いようです。保険適用手続きの流れに関しても、図を用いてわかりやすくご説明いただきました。保険適用の審議結果に関しては、どこでどのような議論が行われるのかという内部のお話までしてくださり、とても興味深く聞かせていただきました。

最後に設けていただいた質問コーナーでは、「将来的に審査においてどのような点が議論されるのか、どのような点に気を付けて開発や臨床試験を進めるべきなのか、その想定を持つためにはどうすればいいのか」「高い保険の点数を付けるためには、どのようなことをすべきなのか」という質問があり、どのような部分に留意すべきなのか、実際の経験を元に丁寧に分かりやすくご回答くださいました。「アプリの医療機器認可はこれを機に盛り上がっているのでしょうか」などの質問にもお答えいただきました。

岡野内先生、ご講演ありがとうございました。