講師

小阪 亮氏

産業技術総合研究所 健康医工学研究部門、人工臓器研究グループ

渡邉真氏

京都大学循環器内科 助教

(1)話題提供

令和2年度採択者のお二人から、官民による若手研究者発掘支援事業から学んだことをそれぞれエンジニアと医師の立場から発表いただきました。

小阪氏には、「ドナー肺の長期灌流と無侵襲評価が可能な体外肺灌流システムの開発」をテーマに、臓器移植の現状やEVLPによるドナー臓器の活用、製品化された体外肺灌流 (EVLP)装置、研究、臨床ニーズの助言や事業戦略に対するVCからの助言、事業化までのロードマップについて発表いただきました。エンジニアの方からの質問も多数あり、盛り上がりをみせました。

渡邊氏には、「心筋内細胞注入カテーテルに関する研究開発」をテーマに、心不全のカテーテル治療の現状や Translational Researchとの関わり、事業を通して経験したことなどをお話いただきました。本プロジェクトでうまくいったところや明らかになった問題点など先輩採択者のリアルな声は、参加者の方々の心に響いたようでした。

(2) ラウンドテーブルディスカッション

ラウンドテーブルディスカッションでは、令和3年度と4年度採択者の混合グループにて、2つのテーマについて話が進められました。1つ目のテーマは「今、医療機器開発で困っていること」。現在うまくいっていない事や過去の苦い経験など、ざっくばらんに話が進められます。令和4年度採択者の方々は、特許や企業連携、投資家へのアピール方法やエンジニアとの関係性構築、ヒアリングやインタビューの方法などを相談していました。

2つ目のテーマは、「この事業を通して、どのように自分の研究を社会実装に向けて発展していくか」。参加者からは、企業とのマッチングや知財・特許の確保、医療と企業が同じ方向を向きwin-winな関係性をとれるような体制づくりを進めていく等、具体的な指針が示されました。