講師

東京大学医学部附属病院 バイオデザイン部門 部門長
ジャパンバイオデザイン 共同ディレクター

前田 祐二郎

講義の内容

今年度末にメドテックシンポジウム&ピッチでは、研究や事業の成果を対外的に報告するピッチイベントを開催します。その際に、本AMED事業ご参加いただいている先生方にもピッチをしていただく予定です。そこで今回は、オンラインにてピッチに関する説明会を開催し、ピッチの構成、ピッチの方法、ピッチの注意点などを開発サポートの前田より説明させていただきました。「医療テクノロジーのピッチ」というテーマで、トピックとして「なぜピッチをするか?」「誰にピッチをするか?」という2点を挙げて解説しました。

冒頭では、「MEDTECH INNOVATOR」というアメリカで開催されているビジネスコンテストでファイナリストになった方のピッチの動画を実際にご覧いただき、大まかな流れやポイントを紹介。また併せて、ピッチは資金や人材を集めるために投資家やユーザーのほか、事業に関係する多くの人に向けて行うこともお話ししました。

次に、ピッチはファンを獲得するためのプチプレゼンテーションであることをお伝えしました。

またピッチにも種類があり、アントレプレナー型研究者に必要なピッチの種類である「狭義のピッチ」と「VCミーティング」において、それぞれに必要とされる資料の内容も紹介。そして大切なのはテクノロジーの解説ではなく、課題の共有であり、課題とテクノロジーを7:3くらいの割合で盛り込むことがポイントということを解説しました。さらに発表時点ではプロトタイプでもいいので、研究内容のみでなく最終的なビジョン・製品像をしっかりと伝えることが重要。それによってイメージが共有され、資金調達などがしやすくなるということもお話ししました。

後半は、実際にバイオデザインで行われるピッチの構成や注意点について説明。2分版と10分版それぞれの流れを紹介するとともに、最後の締めで「何をしてほしいのか」というのを、しっかりと伝えることが重要であることを学びました。

次にストーリーテリングのコツを解説。誠実であることやボディランゲージ、目線、アイコンタクトの重要性を紹介。また声色のポイントやスタートの仕方、ストーリー構成のコツなども具体的にイメージできるよう事例とともに学びました。

最後にいくつか、ピッチの良事例をご覧いただいたあと、前田からのピッチで締めさせていただきました。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。