講師
沖山 翔
アイリス株式会社代表取締役
講義の目的
AI、VR/AR、ブレインマシーンインターフェースといった未来の医療にパラダイムシフトを起こすテクノロジーへの理解を深める。
講義の内容
冒頭で講師が代表を務める企業の医療機器開発例が示され、テクノロジーは指数関数的に進歩していることや、産業構造の変化に伴って企業の入れ替わりも激しくなっていることが語られた後、人工知能(AI)について説明がありました。
AIはディープラーニングにより抽象的な概念を扱えるようになってきており、そうしたAIはどのような価値をもたらすのか、事例を交えながらAIの基礎技術について語られました。さらに、AI医療機器の実用化事例が挙げられ、医療機器の現在と未来について考察。医療AIの潮流、社会変化とデジタル化などについて述べられました。また、ロボティクスやVR・AR・MRのもたらす価値や応用可能性などにも言及がありました。
続いて、遺伝子を自在に書き換える技術「CRISPR(クリスパー)」の仕組みや主な応用領域、医療におけるCRISPRの可能性などが語られました。脳そのものをデバイスとして使う技術「BCI(Brain-Computer Interface)」の解説では、ALS患者に応用されたケースを取り上げ、その意義を考察。身体の機械化や脳と身体の空間的分離、脳と脳をつないだコミュニケーションなど、BCIの可能性について考察が示されました。
最後に、価値観の多様化によって医療の目的が変化しており、病気を治すのは手段であって最終的には人を癒やすのが医療の目的であること、テクノロジーを用いることで新たな医療観が拡張されることなどの話があり、これからのライフサイエンスはどうあるべきかという問いが投げかけられました。
講義終了後に開かれた第1回メドテックサロンでは、テクノロジーのトレンドや医療現場のニーズ、ビジネスの潮流などについてディスカッションが行われ、参加者による活発な議論が交わされました。