講師
冨岡 穣
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 主任研究員
(元PMDA 医療機器審査第一部審査専門員)
講義の目的
医療機器の有効性・安全性の評価方法の実践的知識・薬事制度の仕組みを理解する。
講義の内容
最初に、開発する製品が医療機器に該当するものかどうか、その該当性を確認するための判断基準や、該当性確認時の説明のポイントなどが解説されました。
次に、医療機器にはどのような分類と規制があり、どこからがPMDAで審査が必要な分類になるかなど、具体例を交えた説明がありました。また、「新医療機器」「改良医療機器」「後発医療機器」の違いや差分による分類の考え方のほか、一般的名称による分類が紹介されました。
続いて、医薬品医療機器等法による医療機器や業者の規制について解説があり、取り扱う医療機器の種類によって許可の種類も異なること、QMSに基づく省令遵守が求められることなど、医療機器製造販売規制の仕組みが語られました。
また、実際の承認審査ではどのようなことが行われるかにも触れ、申請から承認までの流れを説明。承認のための基本的な考え方が示され、申請書に記入する際に必要な製品情報などについて話されました。加えて、承認を得るためには、リスクアセスメントや臨床的意義を客観的根拠に基づいて説明できることが重要で、製品評価の可視化や数値化が大切であることが話されました。
最後に、PMDAの審査員が承認審査時に見ているポイントや、審査の軸となる考え方を紹介。PMDAは医療機器開発を積極的にサポートしており、対面助言や薬事戦略相談などを活用してPMDAとコミュニケーションを図ることのメリットが述べられ、開発の際には審査報告書や申請資料概要などの公開資料が参考になると助言がありました。