講師
PREMO PARTNERS
桜井 公美
大学院で生体工学を選専攻後、アカデミアで10年以上、血栓の研究を行う
その後、外資系の医療機器企業で14年間、IVD、治療および診断用医療機器の学術、マーケティングに携わる
現在はプレモパートナー株式会社を起業し、医療機器に特化したベンチャー支援やコンサルティングを行う
講義の内容
2020年11月25日(水)、ゲストスピーカーとして桜井公美先生をお招きし、メドテックサロンを開催致しました。
桜井先生は、生体工学が専門でいらっしゃいますが、循環器内科・小児循環器内科・心臓外科・血管外科・形成外科・神経内科・脳外科の医師など、血管に関わるあらゆる医療関係の方とお仕事をしてこられました。医師だけでなく、臨床検査医・検査技師といった方ともお仕事をされたご経験があるそうです。
今回の講演では、「どのような視点が医療機器開発に大切か」というテーマで、実際に商品を売る・マーケットを意識するためのヒントになるお話をしていただきました。
冒頭では、医療機器開発には専門知見が必須であるということについてお話いただきました。医療機器開発は規制ビジネスであるということ、医学的な根拠に基づき開発しなければ失敗するということ、その他重要なポイントを解説していただきました。医療機器開発に必要なステップを図解でご説明いただき、とても分かりやすく理解することができました。特に重要なのは「マーケットやニーズの調査は不可欠」ということでした。
次に、「マーケットやニーズとは何か」という基本的な部分についてお話しをしてくださいました。医療機器開発は承認を取ることがゴールではなく、やはり売上を上げる必要があり、未来志向という感覚が大切だということです。顧客が求める性能ニーズについて考える重要性についてもご教示いただき、大変勉強になりました。ヘルスケアビジネスにおけるPEST分析についても、具体的にご説明いただきました。
その他、マーケティングの基本的な考え方である3C分析、SWOT分析について解説していただきました。その上で、環境が加速度的に変化していることを理解して製品開発することが重要だとおっしゃっていました。
最後に、マーケティングの基本として、「誰のお困りごとを解決するのか」「なぜその製品やサービスを買うのか」「人がそれをどう使うのか」を常に考えることが大切だと教えていただきました。この点をないがしろにすると物が売れないということになるそうです。桜井先生が長年マーケティングに携わってこられた冠動脈のステント治療のご経験を具体的な事例として挙げてご説明いただき、すばらしい技術が売れるのではなくトータルバランスが大切だということを、実際の数値として見ることができました。さらに、「製品が市場に出るまでに何をしなければならないのか」について6つのポイントを挙げてご説明いただきました。実際に行うべき市場調査についても、どのような流れで行えばよいか、各ステップのポイントなどを具体的に解説していただき、実践に直接活用できる有意義な内容でした。
桜井先生、ご講演ありがとうございました。